2026.03.11
2026年2月14日の日曜日、大津市葛川細川町にある休耕田を貸農園として活用することを通して、持続可能な地域づくりと生きることの豊かさを実現しようと取り組んでいる特定非営利活動法人葛川共創ネットワークの活動の様子を見せていただきました。2025年度できるコトづくり制度のはじめて助成1年目を受けての活動です。
貸農園として利用しようと準備している休耕田は、昔は水路があり耕作をしていたそうです。ところが、砂防ダムの影響で水が来なくなりました。この休耕田を貸農園として利用するのであれば、「水」は必須です。そこで井戸を掘って水を確保しようという計画です。
井戸堀は単管パイプで掘削する方法を考えているそうです。メンバーの方が「能登半島地震のボランティアに行った時のことです。この時、断水が続く現地で井戸を掘ろうということで、西田稔氏と一緒に井戸掘りをしたんですが、『あっ!これならできるかも』と思いました。帰って代表の森さんにそれを伝えると、すぐ『じゃあ、それをやろう』ということになったんです」と話してくださいました。
*西田稔さん:長年にわたる経験から独自の「水対策」技術を持っており、「西田方式水脈探し」の専門家。断水が続く被災地などで人力による井戸掘り支援や技術伝授を行っている。
*「西田方式水脈探し」は単管パイプを人力で打設して埋め込み、水脈に当たったところでそれを引き抜いて穴を開け、水が引き込めるようにした単菅パイプと入れ替える方法。
井戸掘りのためには、まず道具が必要です。今日は、その井戸掘り用単管パイプの製作です。切断や溶接などの専門的な技術が必要なので、地元の技術を持った方に依頼しています。その鉄工所です。

この単管パイプ製作に準備したのは「角単管パイプ」と表面に突起のある「鉄筋」です。作業は、角単管パイプを切断し片側に蓋をするような感じで板を溶接し、持ち手として使う鉄筋の両端を曲げて単管パイプに溶接するという手順です。

単管パイプの寸法を測り、それに合わせて大型高速切断機で切断します。入った時から、大きな工具や部材などが所狭しとおかれている鉄工所の様子にただただ圧倒されていましたが、切断する時の大きな金属音に、またまたびっくりしました。
そして片側に蓋をするように、鉄板が溶接されました。

次に「鉄筋」を曲げます。太めの鋼材だったので、てこの原理を応用して曲げるカットベンダーではなく、耐熱煉瓦で炉を作り、そこに火を起こして鉄筋を熱して曲げることになりました。

炉を作り、火を起こしていく手際がスムーズで、見とれていました。炉の中に鉄筋を入れて待っていると、真っ赤に熱を持った鉄筋が姿を現しました。そして、曲げます。メンバーの方が交代しながら、4本の鉄筋の両端計8回の鉄筋曲げを行いました。

両端を曲げた鉄筋を単管パイプに溶接するのですが、溶接時に発する光がとても強いとのことで、全員が屋外へ出て待つことになりました。
終わってから中へ入ってみると、当たり前なのですが溶接は全て終わっていて、井戸掘削用の単管パイプの形ができ上っていました。

出来上がりです。
井戸掘りは雪が解けてからでないとできないので、4月以降になるだろうとのことでした。今年度の活動では、実地での井戸掘り活動はできないとのことなので、ちょっと残念。井戸を掘るところを見たかったです。
その後、譲り受けたという休耕田まで案内していただきました。前週に来た寒波で雪が積もり、この日もまだたくさん残っていました。境界ははっきりとはわかりませんが、まとまった広さがあり、貸農園としての区画がいくつもとれそうです。
譲り受ける手続きは、いろいろと手間取りながらも進んでいるそうです。実際に貸農園として運用していくためには、ほかにも整備しなくてはならないことが多いそうで、井戸掘りによる水の確保もそのうちの大きな条件です。それが、今回の井戸掘り用単管パイプ作製で一歩進んだことになります。
休耕田や耕作放棄地などを活用しようとした時、水さえあれば作物や花などが植えられるのにということをよく聞きます。もちろん、場所と地下水源の有無にもよりますが、「出れば」という思いを持っておられる方は多いのではないかと思います。
代表の森さんとお話していると、「そうなんですよ。単管パイプ井戸掘りに挑戦している話をしたら、ぜひうちのところでもやって欲しいというオファーがありました」とのことです。植物を育てるだけなく、ちょっと手を洗う時になど、水は必要です。単管パイプは持ち運びのできるものですから、可能性が広がるなあと思いました。
今回訪問して見せていただいた井戸掘りの手法が葛川共創ネットワークの活動のみならず、「水があれば」と思っている多くの方々に届くと、波及効果が大きいなあと思いました。
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