滋賀県内で活動する団体に、コープしがが活動資金を助成します。

できるコトづくり制度

滋賀県内で活動する団体に、コープしがが活動資金を助成します。

2023.05.09

活動報告

「聴導犬啓発プロジェクト」手話カフェPocKy

2024年4月 手話サロンPocKyの代表、五十嵐さんが聴導犬についての絵本『聴導犬ポッキー いつもいっしょ』を出版されました。詳しくは▼こちらからどうぞ!

2023年4月30日、日曜日の午前中に、守山駅そばにある厨房付きレンタルルーム、ル・ラヴァージュ(グランドメゾン守山1F・守山駅東口から徒歩1分)で開催される、手話カフェPocKy(ポッキー)に伺いました。これはできるコトづくり制度の、はじめて助成1年目の「聴導犬啓発プロジェクト」の活動です。※2024年度、団体名を「手話サロンPocKy」に変更。取材時は「手話カフェPocKy」でした。
 
手話カフェPocKy カフェの外観
 
代表の五十嵐恵子さんは、身体障碍者補助犬・聴導犬ポッキーのユーザーです。聴導犬についての認知度を高め、手話の普及などを目的とした手話カフェPocKyを昨年(2022年度)から開始しました。
 
手話カフェPocKy カフェの壁 
 
カフェの壁には、聴導犬やポッキーの活動に関する記事が貼られ、また別の壁際では、手作り小物の販売、手作りパンの販売コーナーも。店内は、とても明るくて賑やかな雰囲気です。
 
手話カフェPocKy グッズ販売コーナー
 
活動訪問したのは2023年度に助成を受けて行うカフェの初回でした。11時30分オープンと同時に、ほぼ満席。私もランチと食後のコーヒーの注文をして、食事が来るのを待っていました。
お隣の席では、手話まじりで会話がはずんでいます。店内は手話と声の会話が入り混じる、和やかであたたかい空間で、初めて経験する場でした。
 
手話カフェPocKy 「仕事中」のチョキを着けた聴導犬ポッキー 
   
そのうちトイプードルのポッキーが、きちんとした仕事服を着て登場です。あまりに可愛いさに、お客さんたちに大人気。
聴導犬ポッキーのお仕事は、ドアチャイム・呼び鈴・キッチンタイマー・自転車の警鈴などの音に反応し、まずユーザーに鳴っていることを知らせ、その後音源の場所につれていってくれるそうです。
 
外では、ユーザーの外見からは聴覚障害を持っていることに気づいてもらいにくく、聴導犬を連れていることで、周りに聴覚障害を理解してもらう役割も担っているそうです。ポッキーは、こうしてご主人である五十嵐さんのために、しっかり働いているのです。
  
聴導犬のパンフレットによると、この「仕事中」という文字が入った服を着ている時は聴導犬としての仕事をしているので、普通のペットに対するように勝手に気軽にさわったり、エサをやったりしないのがルールとのことです。
 
手話カフェPocKy 絵本準備中 手話カフェPocKy Tシャツ 
  
また、今まで頑張ってきたポッキーの恩返しに何か形の残るものを、そして聴導犬のことをたくさんの人に知ってもらいたい、小さい子どもたちから知ってもらえると大人になった時に身体障害者補助犬達がいるのも当たり前の社会になって欲しいとの願いで、現在ポッキー絵本も制作中だそうです。(上の写真の左が絵本のイラスト案、右はTシャツ案)
  
手話カフェPocKy 厨房スタッフ 
  
スタッフの皆さんは厨房でてんてこ舞いのようす。話しかけた方は「ここで働くのは初めてなので、どきどきしています!」とのことでした。スタッフには手話サークルのメンバーや、びわこみみの里の元職員の方など、さまざまな関わりからの参加だそうです。
 
そのうち、ランチが運ばれてきました。守山市内の「木の葉」かふぇのランチは五穀米ご飯と、ポッキー手づくりのスープ付きで千円です。メインはハンバーグで、お惣菜はどれも野菜がたっぷり入ったおいしいものでした。これも手話カフェPocKyの皆さんの「旬の野菜を使い、栄養バランスのとれた食事を提供したい」という思い、また、聴覚障害者の余暇に一人でも気軽に行ける場を提供したいという願いが反映しているのです。
 
美味しくランチをいただいて、コーヒーを飲んでいると、五十嵐さんが呼びかけ、手話レクチャータイムが始まりました。
  
「季節の手話です。手を下から上に暖かい風が吹くような感じに……これが春です。」
と、春夏秋冬を教わりました。五十嵐さんが簡単な手話を教えてくれると、お客さんもすぐに真似して繰り返します。
 
「春と言えば桜ですね。手話ではこう!」手を少し掲げてパパパンと互い違いに3回打って「桜」という感じです。
 
カフェに来店した小学生の兄弟と、会話しながら、そのキーワード「小学校」などを取り上げ、その手話を教えてもらいました。
 
そのお話の中で「コープしがのできるコトづくり制度の助成金をいただくことができました。」とも紹介してくださいました。下の写真の右下の手話がその場面です。ありがたいです。
 
手話カフェPocKy 五十嵐さんの手話レクチャー  
 
手話コーナー手話レクチャータイム終了後、ランチの済んだお客さんは会計を済ませて帰り、待っていたお客さんと入れ替わりました。本当に大盛況でした。
 
主人の五十嵐さんの後をついていく聴導犬ポッキーは、カフェのお客さんの足元を時々すり抜けていきます。たくさんのお客さんの中には知らない人も多いはずですが、落ち着いて静かにしている姿は、とても訓練されていることが伝わってきました。
 
この聴導犬に関しては、▼びわこみみの里のホームページに詳しく説明されています。ぜひご覧ください。
 
手話カフェPocKyは、聴覚障害の方だけでなく、身体障害補助犬や手話に関心のある方ならどなたでも歓迎だそうです。ぜひカフェにお立ち寄りください。
次回の開催は、7月9日(日)の予定です。