2026.01.30
2026年1月11日、日曜日の午前中に、「NPO法人O’hana ─親と子の絆を育むお手伝い─ 訪問型子育て支援House Call Supporter(ハウス コール サポーター)養成講座」を見学しました。この講座は、訪問型子育て支援 コウノトリ(以下コウノトリ)が「できるコトづくり制度」の、はじめて助成1年目の助成を受けて行う活動です。

講座講師の山田裕子さんが代表理事を務める、NPO法人O’hana ─親と子の絆を育むお手伝い─(おはな・以下O’hana)は、大阪市地域子育て支援拠点事業「つどいの広場 び・すけっと」を、市から委託を受けて運営しています。
山田さんは、アメリカの多くの州で取り入れられている、虐待予防のための家庭訪問による子育て支援プログラム(ヘルシースタート)を学び、それを日本でも広めたい、と2011年に家庭訪問型子育て支援員の養成講座を開講し、2015年から家庭訪問による支援をスタートさせたそうです。
今回のコウノトリの講座は、滋賀県ではまだまだ知られていない、その訪問型子育て支援員House Call Supporter(ハウス コール サポーター)を養成するためのもの。1月から3月までの全4日間、午前10時~午後4時半まで、みっちりの講座です。
訪問したのは、第1回の午前中のプログラムです。
10時になると、コウノトリの代表の任さんと副代表の増田さんからのご挨拶と、講師の山田さんのご紹介がありました。
それから、講座開始です。午前中は概論。O’hanaの家庭訪問型育児支援について、山田さんが出会い、その後ご自身でも大阪で養成講座と実際の訪問を始めた経緯、そして「虐待のない、誰もが安心して子育てできる社会」を目指し「目の前の一人から始まる支援」を大切に子育て支援活動を行うこと、という理念などを教わりました。
特に大切にされているのが、対象者(父母)と支援員との信頼関係です。「そんなこともできないの?」という姿勢だったら、家庭に入れてももらえなくなります。できていないことを見つけるのではなく、あるがままの親を受けとめて、長所や強みを見つけることが大事、とも。
O’hanaでは、子育てに困難のある家庭、例えば母子家庭、未成年での出産、事情があり家庭での生活を知らずに育った人や、妊娠している時に既に出産後の困難が予想される場合など、に出産前から一週間に1回、1時間程度家庭を訪問して子育てを支援しています。子どもへの虐待を予防するためです。
統計的に2歳以下が最も虐待を受けやすいそうです。理由は、言葉が通じないから。また、虐待は連鎖しやすい、と言われます。その連鎖を断ち切るため、親自身の長所や強みを生かし、親が自信と愛着を持って子育てできるよう、親をサポートするのが支援員です。
O’hanaの支援員の訪問には、利用者負担はありません。支援員の人件費はO’hanaの会費と寄付でまかなわれているそうです。
「虐待が起こってから対応するよりも、起きる前に対応するほうが、親も子も傷つかず、少ない時間の支援で効果が高い。行政にもそこをわかってほしい」と山田さん。
午前中の講座が終わってから、コウノトリのお二人に活動を始めたきっかけを伺いました。
任さん「私は講師である山田先生の保育専門学校時代の教え子です。山田先生から『滋賀県でも訪問型子育て支援員の組織を立ち上げてみては?』と声をかけられ、増田さんを紹介されました。育児の伴走型支援という国の方針も出て、行政も少しずつ変わってきています。」
増田さん「10年前、児童養護施設職員(現在は職員ではありません)として同じ講座を受けました。そのご縁で、当時施設卒園した子が妊娠出産した時、O’hanaに訪問してもらうよう依頼しました。そのサポートの様子や卒園生の様子をみていて、『この活動がもっと滋賀県にも広がってほしい!』と思って任さんとコウノトリを立ち上げました。最初は私たち2人だけでしたが、今は訪問員の資格を持っている人が4人と協力してくださる方もいます。」
今回の受講生は2名ですが、とても熱心にメモを取って聞いておられました。
コウノトリでは、今後も講座を開催して、受講生の中から支援員をある程度増やし、支援の実績を積みながらO’hanaの家庭訪問型育児支援の活動の認知度を上げ、必要性を行政に働きかけていこうとされています。これからの皆さんの活動に期待しています。