滋賀県内で活動する団体に、コープしがが活動資金を助成します。

できるコトづくり制度

滋賀県内で活動する団体に、コープしがが活動資金を助成します。

2023.06.22

活動報告

「学校にいきづらい子どもの居場所づくり」こどもの居場所 ばあちゃんち

2023年6月2日金曜日、甲賀市水口町の、こどもの居場所 ばあちゃんちの拠点を尋ねました。ここでは毎月第1と第3金曜日の午前9時から午後3時まで、「こどもの居場所 ばあちゃんち」を開催しているのです。この活動は「学校に行きづらい子どもの居場所づくり」で、はじめて助成1年目です。
 
こどもの居場所 ばあちゃんち 門と「ばあちゃんち」の額 
 
立派な門構えの古い建物に、元気な「ばあちゃんち」の文字が出迎えてくれました。
開け放された玄関には、たくさんの靴が。
 
すぐに「いらっしゃい!」と、こどもの居場所 ばあちゃんちのメンバーの皆さんが笑顔で出てくれました。
 
さっそく代表の大原弘子さんにお話を伺いました。
「学校に行けない子どもたちが多い状況を知る機会があり、『何かできないかな?』と考えていました。ある日、子どもの居場所活動の新聞記事を読み、知り合いにも声をかけたところ同意してくれたのが『こどもの居場所 ばあちゃんち』を始めるきっかけです。その後、仲間は4人になりました」。
 
こどもの居場所 ばあちゃんちは、2022年10月から開始し、今では4人から6人の子どもが来ているそうです。
 
こどもの居場所 ばあちゃんち 廊下から中庭の説明をする大原さん 
 
ここには広間、ピアノのある部屋、台所などのほかに、前庭、中庭があり、畑を開墾し野菜作りも予定しているとのこと。どの部屋の窓からも見える緑に心が癒されます。
 
「ここに来たら、何をしてもいいし、しなくてもいい」と大原さん。
 
この屋敷も、とても落ち着く古い建物で、場の持つ力を感じます。こんなに素敵な場所が借りられるなんてすごい、と思いました。
 
ところが、この活動はそんなに恵まれたスタートではなかったというのです。
最初に相談しに行った行政の窓口では、まるで相手にしてもらえず、次に相談に行ったのは、甲賀市まちづくり活動センター「まるーむ」でした。そこで本気で相談に乗ってもらい、会議を何度も重ねてから再びチャレンジした行政の窓口では、ちゃんと話を聞いてくれたそう。そこから関係機関にも話が通り、管理することを条件に、この素敵な建物を借りられることになりました。
 
「最初に来た時は、お母さんの後ろに隠れていた子が、今では一人で『おはよう!』とやってくるようになったんですよ。」と大原さんはうれしそうです。
 
「ここには、学校に行けない子も行っている子も、誰でも寄ってくれたらいいんです。私たちにできるのは、ご飯を作って食べさせるだけ。今日も子どもがグリーンピースのさやむきを手伝ってくれたんですよ。だからお昼、いっしょに食べてってな!」。
 
こどもの居場所 ばあちゃんち 台所で働くメンバーの皆さん
 
同行のコープしがの職員の方も私も、お言葉に甘えて、一緒に広間でごちそうになりました。しみじみと「おふくろの味」を堪能しましたが、メンバーの皆さんはしきりに「今日は地味な色合いだわ。いつもはもっとにぎやかなのに」と言い、残念そう。いえいえ、これは心身ともに癒される食事です。みんな元気が出ます。
 
こどもの居場所 ばあちゃんち この日の昼食のアップ 
 
こどもの居場所 ばあちゃんちの皆さん、これからも子どもたちの社会との接点として、安心できる場と美味しいご飯、そして笑いを提供してくださることを期待しています。
 
こどもの居場所 ばあちゃんち チラシ